理想を実現すると不況になる⁈
- amanakarei2025
- 2024年1月31日
- 読了時間: 3分
現在、いや、過去30年に渡る日本の経済不況の原因は、通貨発行と運用のルールにある『本學ノスゝメ』の中で書いた。通貨が国民すべての手の中を循環しにくいルールになっているのだ。
モノ不足、国際競争力の低下、或いは日本人の労働生産性が低いことが原因では決してない。(『本學ノスゝメ』P167)
ここのカラクリが腑に落ちないと、後半で描いた2075年の社会の姿は、ただの理想論に聞こえてしまうおそれがある。
もしも、生活に必要なほとんどすべての商品を、誰でも、どこでも、最高品質のものを、しかも非常に安価で購入できるようになったとする。
私は、ヒトが太古から創意工夫を凝らしてきたことの目的は、こういう豊かな社会の到来を目指したからだと理解している。
ところが、この状態が実現してしまうと、成り立たない仕事がひとつだけ存在するのだ。
みなさんは、それが何かご存知でしょうか?
(その答えは、本書に書いてありますが)
それは投資ビジネスです。
「生活に必要なほとんどすべての商品を、誰でも、どこでも、最高品質のものを、しかも非常に安価で購入できるようになった」なら、投資家(資本家)が魅力を感じるような高い利益率を生む商品や事業は存在しない。だから、その状況において投資ビジネスは成立しなくなる。
巨額の投資をして、10年待っても二束三文の利益では投資する人はいない。
つまりそういうことです。
資本主義というのは、簡単に言えば、資本家の活躍により社会全体が豊かになるという思想だ。だから、資本家が活躍しやすい(利を得やすい)ように制度設計してある。18世紀半ば産業革命とともに生まれ、日本では明治維新以降に取り入れられたもので、人類にとっては新しい社会制度にすぎない。
そして、その制度の中に、「将来大きく成長する事業(=利益率の高い事業)に投資家が投資すると、市場に通貨が供給される」という金融ルールが存在する。
もうお気づきでしょうか?
実は、「生活に必要なほとんどすべての商品が、誰でも、どこでも、最高品質のものを、しかも非常に安価で購入できるようになった」社会は、日本において約30年前にほぼすでに成立していると考えられる。
日本人が過去170年間死にものぐるいで勤勉に働いた成果でしょう。
だから、現行の通貨発行と供給のルールでは経済不況が終わらないのです。
「理想を実現すると不況になる⁈」
このタイトルの意味はここにあります。
もちろん、ルールを変えれば不況はなくなるでしょう。
今よりも圧倒的に豊かな社会を実現可能だと私は自然に考えています。
だから『本學ノスゝメ』ではその経緯について書きました。
ところでこの考えは、私の創作や思い付きではない。
ジェレミー・リフキン氏の著作『限界費用ゼロ社会』を参考として書いたものだ。
氏は、欧州連合、中国、メルケル前独首相をはじめ、世界各国の首脳・政府高官のアドバイザーを歴任した経済社会理論家。
ご興味のある方はこの本をご参考ください。
本書の目的は、日本の未来の
あるべき姿をできるだけ多くの
人に伝えることにある。

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